訪問看護は、患者の自宅を訪れて看護ケアを施す仕事です。
個人の事情により病院に入院できない人や、早期退院の措置により完治したとは言えない段階で退院した患者を在宅看護するのです。訪問看護は、医師に1人か数人の看護師が付き添う形で実施されます。チームナーシングが主流となりつつある医療現場と異なり、訪問看護ではプライマリーナーシングと呼ばれる看護方式のように、1人の看護師が1人の患者を担当することが多いでしょう。
また、医療器具が患者の自宅に常備されている訳ではないので、看護師は必要な用品を準備することが求められます。この場合、医師から指示された用具一式のほか、個々の看護に必要な用品を全て持参しなければなりません。個別のケースに応じてスムーズに医療ケアを行えるようきちんと医療器具を準備できれば、看護師は充実感を味わえます。また、自宅療養の患者は身体が不自由な場合も多く、訪問看護師は介護のスキルも必要になります。介護ケアを施すと、患者の自宅という要素も加わって、患者との距離感が縮まり、交流を図りやすいでしょう。
場合によっては、介護しながら患者の悩み事の相談に乗ることも可能です。自宅の様子から、健康管理の現状を把握できて、看護ケアの向上につなげることもできます。患者個人と向き合える時間が確保される訪問看護師は、多数の患者を扱う病棟看護師より、患者に対してきめ細やかな看護ケアを施せて、医療従事者としてのやりがいを得られやすいでしょう。